高校講座 物理基礎 40.熱と温度

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高校講座「物理基礎」。今回のテーマも『熱と温度』です。ここから新しい単元に入ります。この単元で注目するのは熱です。まずは熱と温度の違いから学習していきましょう。
▶前回内容の復習『39.力学的エネルギーの保存(ばね)』

熱と温度

物理の勉強を進めるにあたって、一番大切なことは定義をしっかりと身に付けること。この単元ではまずは熱と温度の違いについてマスターしましょう。

熱とは?

熱は、熱量や熱エネルギーと呼ばれたりします。よく「熱がある」など日常生活では使いますが、物理で使う熱とはどのようなものなのでしょうか。

熱とは、その物体を構成する粒子が持つ運動エネルギーの総量のことです。物体はすべて原子や原子がいくつか集まってできる分子で構成されています。これらの粒子は絶えず運動しており、固体なら位置を変えずに振動している状態、液体ならお互いに位置を変えれるように流動的に運動している状態、気体なら空間を自由に飛び回っている状態になります。この粒子の持つ運動エネルギーの総和が熱ということになります。言い方を変えると「運動エネルギー」とも呼んでいいし、「内部エネルギー」とも言っていいものになります。

粒子の運動エネルギーは、温度が高くなるにつれて大きくなり、粒子の運動も激しくなります。高温の物体に触れることによって起こる「やけど」はこの粒子が持つ運動エネルギーの差によって摩擦が起こり皮膚が焼けただれてしまう現象です。

熱は粒子が持つ運動エネルギーの総量でもありますので、物質の量に比例します。温度が低くても、物質の量が多ければ、その物質が持つ熱は大きくなります。40℃のお風呂に100℃のお湯をコップ一杯入れることを想像してみてください。この場合100℃のお湯の中にある粒子1つが持つ運動エネルギーは大きなものになりますが、所詮コップ一杯の粒子です。40℃のお風呂の水を構成している粒子が持つ運動エネルギーの総量と比べると微々たるものになってしまいます。

このように熱や熱量を考える際にはその質量も関係してくることになります。

温度とは?

温度は日常生活でよく使われる指標です。通常日本で使われる温度はセルシウス温度[℃]をよく使います。では、温度とは何でしょうか。簡単に言ってしまうと温度は粒子の持つ運動エネルギーの平均値になります。粒子1つ分の運動エネルギーを表す尺度になるのです。

温度には、通常の日常生活で使うセルシウス温度[℃]と絶対温度[K]というものがあります。物理では通常、絶対温度[K]を使うことになります。読み方は[K]とかいてケルビンと読みます。

セルシウス温度℃とは?

セルシウス温度[℃]とは、水の状態変化をもとに決められた温度で、標準状態で氷が解ける温度である融点を0℃とし、水が沸騰する温度を100℃としたものです。

絶対温度Kとは?

絶対温度[K]とは、物質を構成する粒子が持つ運動エネルギーをもとに決められている温度で、粒子がまったく運動していない状態を0[K]としたものです。粒子がまったく音頭していない状態、つまり粒子の運動エネルギーが0の状態が0[K]ですので、これ以上温度は下がることがありません。

セルシウス温度と絶対温度

セルシウス温度[℃]と絶対温度[K]には次のような関係があります。

セルシウス温度の1℃の目盛り絶対温度の1Kの目盛り

つまり、温度の目盛り幅が同じということです。1℃温度が上昇したことも、1K温度が上昇したことも同じことを意味します。

絶対零度

では、絶対温度で言う0[K]はセルシウス温度の何℃になるのでしょうか。絶対温度の0[K]とは、粒子が持つ運動エネルギーが0になる温度です。つまりそれ以上は下がらない温度になります。これをセルシウス温度[℃]で表すと、

(絶対温度)0[K] -273℃(セルシウス温度)

となります。つまりセルシウス温度の-273℃以上は温度が下がらないことになります。この温度を絶対零度といいます。

セルシウス温度と絶対温度の変換

セルシウス温度[℃]と絶対温度[K]の目盛り幅が同じであることは紹介しました。運動エネルギーが0になる0[K]と‐273[℃]が同じことであることも紹介しました。ということは、[K]と[℃]は常に273の開きがあるということです。

絶対温度[K]セルシウス温度[℃]+273

セルシウス温度[℃]絶対温度[℃]-273

という関係になります。0[K]が‐273[℃]だよってことを覚えておくと変換に困らないと思います。

【問題】熱と温度

問題のダウンロードはこちら

温度について次の各問いに答えなさい。

(1)セルシウス温度の100℃は絶対温度で何Kになるか。

(2)絶対温度の300Kはセルシウス温度では何℃になるか。

【解説動画】熱と温度

【解答】熱と温度

(1)絶対温度[K]=セルシウス温度[℃]+273なので
 100+273=373K

(2)セルシウス温度[℃]=絶対温度[K]-273なので
 300-273=27℃

各教科ごとの学習

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